ココナッツの香り

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クリスマスの朝、コナの香りに包まれて 今年のクリスマスは、少し特別な香りで幕を開けました。 一週間、ハワイでの学会に参加していた娘が、お土産にとコナコーヒーを買ってきました。

ミルで豆を挽くと、部屋中に広がるのは芳醇なコーヒーの香りと、どこか懐かしいココナッツのような甘い残り香。この一杯が、ハワイの豊かな歴史と文化を運んできてくれたような気がします。

希少な「1%」の奇跡:コナコーヒーの歩み

実は、コナコーヒーは世界のコーヒー生産量のうち、わずか1%未満しか存在しないという非常に希少な豆であることをご存知でしょうか。

その歴史は1828年、サミュエル・ラッグルズという宣教師がオアフ島から持ち込んだ苗木を、ハワイ島のコナ地区に植えたことから始まりました。

栽培の適地: マウナロア山とフアラライ山の斜面(通称:コナ・コーヒーベルト)。

黄金の条件: 火山性の肥沃な土壌、午前中の明るい陽光、そして「雲のカーテン」がもたらす午後の適度な雨。

19世紀後半には、一度はサトウキビ産業に押されて衰退の危機に瀕しましたが、日系移民の方々の粘り強い努力によって、世界最高峰のブランドへと育て上げられたという背景があります。カップ一杯のコーヒーの向こう側に、先人たちの情熱が見えるようです。

なぜハワイは「ココナッツの香り」がするのか?

娘の話では、ハワイの街角やホテル、どこにいてもふんわりとココナッツの香りが漂っていたそうです。今回のコーヒーからも感じるその甘い香り。なぜ私たちは「ハワイ=ココナッツ」と感じるのでしょうか。

そこには、単なるイメージではない「エビデンス(背景)」があります。

  1. 古代からの「生命の木」 ポリネシア人がハワイに持ち込んだ「カヌープランツ」の一つがココナッツ(現地語でニウ)です。食用、飲料、建材、そして肌を守るオイルとして、生活のすべてに密着していました。

  2. 嗅覚と記憶の結びつき かつてハワイで主流だった日焼け止めやサンオイルには、酸化しにくいココナッツオイルが多用されていました。これが観光客の記憶の中で「ハワイの空気=ココナッツ」として定着したと言われています。

現在でも、ハワイを象徴する花々(プルメリアなど)の香りと、伝統的なココナッツベースのスイーツ「ハウピア」などの香りが混ざり合い、あの独特の「多幸感ある空気」を作り出しているのですね。

娘の成長と、贅沢な時間

学会という慣れない環境で一週間奮闘し、家族のことを思って選んでくれたお土産。 コーヒーの温かさとココナッツの甘い香りは、娘が体験してきたハワイの熱気と、無事に帰国した安堵感を運んでくれました。

クリスマスの朝に、遠い南国の歴史に思いを馳せながら頂く一杯。 これこそが、最高のプレゼントかもしれません。